
今読み解く日本の庭園 作者の想いからデザインまで
本書の狙いは日本庭園を専門に学ぶ人へのアカデミックな内容を目指すのではなく、観光的視点からだけの庭園案内でもない。作庭家、ランドスケープアーキテクトなど、「つくり手」の視点から古典庭園を大胆に解釈したのが本書の骨子である。
この書は書斎で読むだけではなく、実際に庭園を歩きながら読んで欲しい。作庭者の想いが強い庭園には必ず作者の声が天から降りてくる。この本を読むことで、作庭者が自ら日本庭園の素晴らしさを語りかけてくれるような体験をして欲しいと願っている。(著者)
■目次
第1章 龍安寺庭園の謎を解く 天皇の陵墓を守る龍の庭
枯山水とは何をさしているのか
龍安寺の歴史
龍安寺庭園の空間構成
龍安寺における石庭のロケーション
石庭のモデルは旧愚渓寺の庭園
龍安寺石庭の謎を解く
建築から見える石庭の姿
第2章 鶴亀石組の意味と表現 鶴亀の先に何が見えるか
鶴亀蓬莱思想の発祥と展開
西芳寺庭園の鶴亀石組の間に見せた建物
金閣寺庭園の鶴亀石組の先にあるのは何か
西本願寺の御影堂を庭園から遥拝
三宝院庭園の隠された祠
金地院庭園のアート表現
粉河寺庭園の豪華な石組
遠州、浜名湖姫街道の庭園群
第3章 小石川後楽園の3つのテーマ 能の正解・旅の風景・中国への憧憬
小石川後楽園の歴史
小石川後楽園のテーマとデザインの意図
能の世界と小石川後楽園
旅の風景と小石川後楽園
中国への憧憬と小石川後楽園
第4章 小堀遠州の生涯と作品 綺麗さびを巡って
小堀遠州に対するリスペクト
小堀遠州の生涯
利休、織部と遠州を巡って
遠州庭園の魅力を探る
「伝遠州」庭園が語る「遠州好み」
金地院庭園
南禅寺方丈庭園
孤篷庵庭園
著者:戸田芳樹、野村勘治
出版社:風景パブリッシング
サイズ:B5
ページ数:128
発行年:2024.10