ヴィラ・ガルツォーニをめぐる十三の覚書
十六世紀半ば、当時のヴェネト地方を代表する建築家ヤーコポ・サンソヴィーノがパドヴァ近郊の湿地に築いたヴィラ・ガルツォーニ。カルト的雑誌『サン・ロッコ』をケルステン・ゲールスらと共に創設したミラノの建築家ピエル・パオロ・タンブレッリは、霧に包まれ、ファサードに覆われた空虚のようなこの建築を「失敗の芸術」として読み直し、フォークナー『アブサロム、アブサロム!』に通底する廃墟の記憶と重ね合わせる。湿地に迷い込んだ都市的類型のうつろな姿を見事に捉えたバス・プリンセンによる3枚のカラー写真入り。
表題作のほか、二〇一〇年代を代表する独立系建築誌『サン・ロッコ』創刊号のマニフェスト的巻頭言を手がかりに、「無垢」な建築の可能性を再考する訳者あとがき/エッセイを収録。
著者:ピエル・パオロ・タンブレッリ、佐伯達也
出版社:FORGET BOOKS
サイズ:170×120
ページ数:52
発行年:2025.11
