建築と日常・別冊 多木浩二と建築
日常の視線から建築を捉え、これまでにないスタイルの建築雑誌として一定の読者を獲得してた編集者・長島明夫氏による個人誌「建築と日常」。
今号は別冊第二弾として2011年に逝去した批評家の多木浩二氏の仕事を特集する。
このたびは、昨夏の『窓の観察』に続く別冊として、『多木浩二と建築』を刊行いたします。多木浩二氏はさまざまな領域を横断して旺盛な言論活動を行いましたが、そのなかでも建築はとりわけ重要なジャンルで、伊東豊雄氏、坂本一成氏ら多くの建築家に影響を与えました。今回は既刊の号の倍以上のページ数で、その建築分野での活動に迫るとともに、これまで整理されていなかった多木氏の活動全般にわたる詳細な著作リストを作成し、極めて資料性が高く密度の濃い内容になっています。(編者・長島明夫)
■目次
・[著作目録]多木浩二の仕事 1955-2013 編=長島明夫
書籍編/網羅編
・[アンケート]私のこの1作
石堂威/八束はじめ/伊東豊雄/鈴木明
沖健次/長谷川逸子/上野俊哉/入江経一
・[論考]多木浩二を読む
建築論 倫理学としての『生きられた家』 中井邦夫
建築評論 建てることと住むことをつなぐ回路の探求 安森亮雄
家具論 家具に内在する身体と社会 | 安森亮雄
都市論 「人間学」「現象学」「政治学」としての都市論の眼差し 青井哲人
建築写真 多木浩二の建築写真を通じて、写真と建築の関係について考える 阿野太一
・[インタヴュー] 坂本一成による多木浩二 創作と批評の共振
・[主要評論再録] 多木浩二による坂本一成
「形式」の概念 建築と意味の問題【部分】(1976)
柔かな、かたちのない〈建築〉(1981)
「関係性」への構想(1988)
どこかで見た 見たこともない町 星田の経験を分析する(1992)
日常性と世界性 坂本一成の「House SA」と「Hut T」(2001)
建築のロゴス 坂本一成とモダニズム(2005)
自由の可能性 「QUICO 神宮前」をめぐって考えたこと(2006)
著者:長島明夫
出版社:長島明夫
サイズ:A5
ページ数:240
発行年:2013.04
