Holz Bau ホルツ・バウ 近代初期ドイツ木造建築
東京にある建築設計事務所が行った、近代初期のドイツ木造建築をリサーチした記録。日英併記。
現地の写真、この本のために作成された図面を中心に、編者作品などを交えながらドイツ木造建築を紹介する。事前リサーチで発見した戦前の建築雑誌も再録。また論考、集成材の技術的な歴史、長谷川豪との鼎談やドイツ人建築家との往復書簡など、解説の他にもテキストを豊富に収録。写真の大部分は福島加津也が撮影。現地を見学したときの臨場感が伝わるカラーのドローイングは冨永祥子によるもの。
『このリサーチは、木造建築の設計をしていたときに、日本の伝統木造と現在の在来木造が直接的につながっていないと感じたことからはじまっている。このような違和感は、だれにでも経験があるだろう。世界は違和感であふれているのに、そのほとんどは気が付かないふりをして取り残されていく。しかし、ときにはこの違和感を本気で掘り下げてみよう。
リサーチを本にしてみると、建築のデザインとは異なる世界を表現できたような気がした。私たちのような小さな設計事務所が、デザインだけでなくリサーチも作品として世に問うことは、建築家の新しい活動領域を切り開く。それは、外の世界に旅に出ることに似ている。
この本を読むと旅に出たくなる。そう思ってもらえたら私は嬉しい。』
「はじめに」より一部抜粋
■目次
・はじめに 福島加津也
・Chapter1 資料 新建築1938年7月号「木構造特集」再録
・Chapter2 建築
・調査概要
・乾式構造 クリストフ・ウンマック社
コンラッド・ワックスマンハウス
カプートのアインシュタイン邸
ショットランダー邸
Comic1 「プレハブの始まり」カプートのアインシュタイン邸
Field Note1 「世界のすべてがこの家の中にある」ショットランダー邸
・乾式構造 住宅
カッパーハウス、リスト家の別荘
Field Note2 「6つの平面」カッパーハウス
Field Note3 「切って開く」リスト家の別荘
・新興木構造 ホール
ヴッパータールの体育館
レンハウゼンの射撃協会ホール
ヴェルネスグリュンの納屋
ドルトムント・ブラッケルの木造体育館
フェルトキルヘン基地の格納庫
Comic2 「継ぎ足された時間」フェルトキルヘン基地の格納庫
・新興木構造 教会
ベルリン・フリードリヒスハインのプロテスタント教会
デューレンのキリスト教会
キリスト変容教会
Comic3 「緊急と永遠」ベルリン・フリードリヒスハインのプロテスタント教会
Field Note4 「解説図」デューレンのキリスト教会
・木造建設会社 住宅地開発
ニースキー、ヘレラウ
・Chapter3 論考
木造の意味 福島加津也
うつらうつらする技術 20年代ドイツと70年代日本を俯瞰する 本橋仁
デジタル時代の木造エンジニアリング
ポール・メイエンコート、ケイトリン・ミューラー
鼎談 建築家は歴史から何を学ぶのかI 長谷川豪×福島加津也×冨永祥子×本橋仁
往復書簡 建築家は歴史から何を学ぶのかII ヤン・タイセン×福島加津也
著者:福島加津也、冨永祥子、本橋仁、佐脇礼二郎企画
出版社:ガデン出版
サイズ:295×182
ページ数:360
発行年:2020.08
