アート・キッチュ・ジャパネスク 大東亜のポストモダン
「日本ファシズム」が建築界にもたらしたものは、ドイツ・イタリアに比べみすぼらしい。だが、その時代におかれた建築家たちの観念は注目に値する。本書では、現在の建築潮流を歴史的に遡及するという意味も含め、「日本ファシズム」の時期にこだわって建築を論じる。
■目次
はじめに
・1 帝冠様式
東京帝国博物館/日本インターナショナル建築会と応募拒否/前川國男のプロテスト/造形統制の可能性/ナショナリズムの表現/エキゾチシズムの意匠/さまざまな日本趣味/様式の空白に/地下水脈のキッチュ・ジャパネスク/帝冠併合式と帝冠様式/寺院・城郭そして神社/モダニズムと日本美/神話のなかのモダニズム 1
・2 戦時体制と都市空間
貧困の美学/「細雪」の建築家/国民精神総動員と工作物/ファシズムへのあこがれ/鹿鳴館と明治村/神話のなかのモダニズム 2
・3 忠霊塔
日本趣味とモダニズム/輿望を担う挑発者/塔と墓/挑発者の不在/ファッショ的な高揚のなかで/アート・キッチュ・ファシズム/ならび大名/挑発者の処世術
・4 大東亜の新様式
戦争責任/修辞としての大東亜/建築家たちと情報局/忠霊塔からの逃亡者/立原道造と丹下健三/パリ万国博覧会の日本館/グランプリ/坂倉準三と丹下健三/「日本的」建築の系譜/内省と懐疑/金的の狙ひ打ち/よみがえる忠霊塔/在盤谷日本文化会館/モニュメンタリズム/広島平和記念公園/ポストモダニズムの源流
・註
・むすびに
著者:井上章一
出版社:青土社
サイズ:四六
ページ数:326
発行年:1987.07
