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ユーパリノス あるいは建築家

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「私は孤独でした。私は待っていました。私の全作品が待っていたのです。ある日 私はヴァレリーを読みました。そして私は、待つことは終ったと思ったのです。」

 これはドイツの詩人リルケがこの作品を読んだ感動を語った言葉である。ヴァレリーはある手紙で<一人の著者にとって、一人のすぐれた読者の注目以外に真の報酬はない>

<これこそ、ものを書くという奇妙な行為を正当化するにたる十分な目的であろう>と述べているが、たしかに彼はそのような読者の一人をリルケのうちに見出したわけである。この手紙からもわかることは、<ものを書く>ヴァレリーにとってなによりも大事だったことは、作者と読者と、ごく素朴な人間同士の共感だったということである。

 冥界の<永遠>から、不条理に生きる現世の人間を羨望し、青春を愛惜する本書、この<まさしく海から運ばれてきた言葉>を、作者とおなじ思いをこめて現代の青春に贈る。

著者:ポール・ヴァレリー、佐藤昭夫

出版社:審美社

サイズ:B6

ページ数:113

発行年:1973.07