荷風と東京 「断腸亭日乗」私註 上・下セット
永井荷風が42年間にわたって書き続けた「断腸亭日乗」。散歩ブームの火付け役の一人でもある著者は「日乗」を読み込み、関連した小説やエッセイに言及し、彼の文学、生活、生きた時代と東京の細部を浮かび上がらせていく。著者自らも荷風が歩いた東京を時間旅行しながら、モダニズムの作家であると同時に江戸からの持続という視点をもっていた荷風の本質に迫る。荷風と東京を結びつけた画期的名著。
■目次
(上巻)
・「病余の生涯唯静安を願ふのみ」-老いの見立て
・老翁、俗を脱したり-老人への共感
・「持てあます西瓜ひとつやひとり者」-単身者の文学
・山の手の子の下町住まい
・三味線の聞こえる町-築地界隈
・下町のうっとうしさ
・崖の上の家-偏奇館
・「余花卉を愛する事人に超えたり-庭の小宇宙 ほか
(下巻)
・探墓の興-墓地を歩く
・車が走るモダン都市
・「つゆのあとさき」のころ
・銀座の小さな喫茶店で
・「活動写真」との関わり
・玉の井から浅草へ ほか
著者:川本三郎
出版社:岩波書店
サイズ:文庫
ページ数:665
発行年:2009.10
